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ロータス・カルテット CDレヴュー
「平成18年度 文化庁芸術祭 優秀賞受賞」
シューマン:弦楽四重奏曲全集
 
   
 


◆弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 op.41-1
◆弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 op.41-2
◆弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 op.41-3

2003年1月 横浜市栄区民文化センター 収録
LIVE NOTES (WWCC7524)\2,835(税込)

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Tower Records  HMV


 

Lotus String Quartet; Schumann:String Quartet No.3 3. mov.



レコード芸術 '06. 8月号 新譜月評 室内楽曲 準特選盤

【推薦】久しぶりにロータス・カルテットの録音が登場した。曲目はシューマンの弦楽四重奏曲全曲、いささか渋いがこの作曲家の没後150年記念には相応しいプログラムである。
 若い弦楽四重奏団が成長してゆく過程をたどるのは聴き手にとって楽しみだが、この録音に聴くロータス・カルテットはその喜びを味わわせてくれる。ドイツで学び活動してきた成果の表れといえよう。彼らの演奏はシューマンの3つの作品に新しい生命を与えた、と言ってよい。どの曲でも演奏は充実しているし、アンサンブルは緻密だが、メカニックな完璧さだけを目指すことなく、4つのパート間の感情の交流を伴っているので、説得力の大きな演奏を生み出している。
 彼らの演奏の充実度は第1番から明らかで、第1楽章冒頭の序奏で模倣しながら示される悲哀感を湛えた主題を4つのパートがそれぞれ感情をこめて演奏するので、音楽のロマン的な本質がはっきり浮かび上がってくる。
 全体的に第1ヴァイオリンをはじめ、どのパートも表情に強い意欲が反映されているので、音楽の雰囲気が豊になっている。弦の音色も美しく、響きもしなやかなのも表現力を高めている。今後の活動を期待させる演奏といえよう。
(高橋 昭)


【準】すでに結成から14年目を迎えたロータス・カルテットは、現在は第2ヴァイオリンにシュトゥットガルト弦楽四重奏団の第1ヴァイオリン奏者であったマティアス・ノインドルフを迎えて歴史のページを新たにしているが、今回のシューマン全集は2代目のメンバー(第1ヴァイオリンが小林幸子、第2ヴァイオリンが藤森彩、ヴィオラが山碕智子、そしてチェロが斎藤千尋)で2003年に録音されたもの。これまでにモーツァルトのアルバム、そして現代日本人の作品によるアルバムなどで時代様式感をしっかりと捕らえた精緻でていねいな演奏を聴かせてきたが、この女性4人によるアンサンブルはもしかしたらロマン派の、しかも、あまり激情的ではない作品において美しい音楽を作るのではないかと想像していた。その予想が早くも実現した。
 ロータス・カルテットはシューマンの作品41の3曲で見事な花を咲かせている。女性アンサンブルだからというのではないが、従来聴いてきたシューマン演奏とは何かが違う。音の肌触りというか、響きがソフトで弾力があるのだ。もちろん第1番の第2楽章スケルツォのように申し分のない情熱の迸りなども聴ける。それでも、そこには男性クヮルテットが演奏するのとは違った潤いのようなものが感じられるのだ。クララとの苦難を克服しての結婚、そして、その喜びと幸福感を一気に表した1840年の歌曲の年、41年の交響曲の年を経て、内省的な方向に進む42年の室内楽の年に生まれた3曲だ。この年にはピアノ五重奏曲と四重奏曲も書かれている。シューマンには、優れたピアニストであり作曲家でもあった妻クララの心に直截に訴えかけることのできる音楽言語があったのかもしれない。もしそうだとすれば、女性だからこそ聞き取れるシューマンの言葉がこれらの作品にもあったのではないか、というような非理論的なことをついつい考えてしまったのがこのロータス・カルテットによるシューマン演奏だ。第1番イ短調の導入部ではっきりと聞こえる憂鬱あるいは内省的な響きは、ロータス・カルテットの解釈がある種の閃きあるいは啓示を受けているかのようだ。と言って、このアンサンブルが女性的表現と言っているのではない。また、ここの奏者の表現の魅力も捨てがたいのだ。
 例えば、第1番の第3楽章冒頭の低いところから立ち上がってくるチェロ主題の表情の洗練された美しさ、この主題をさらに高いところで受け継ぐヴァイオリンの優しい表情など大変に落ち着いていて、しかもたっぷりとした響きで至福のときを作ってゆく。と同時に、穏やかな動きではあるのだが、このアダージョでさえも静かに静かに、しかし、確実に精神を高揚させる表現力をもっており、これには抗しがたい説得力さえある。一方、終楽章のブレストで見せるシャープな切れ味、力強い表現など、このアンサンブルの技量の高さも大きな魅力になっている。第2番ヘ長調の第1楽章の開始部などでは、シューマンのこの作品に、おそらく無意識のままに刻印されたモーツァルト的な古典様式の響きと表情が聞けるのも、もしかしたらモーツァルトの作品を徹底して研究してきた彼女たちならではの解釈かもしれない。それが、この作品を親しみやすい音楽表情として描きあげさせている。第3番イ長調は響きにおいて3曲中でもっとも充実しているかもしれない。また、シャープ系の響きでヴァイオリンの艶やかな音色も生かされている。圧倒的な音楽的興奮をフィナーレのクライマックスとして描きあげるなど、第4楽章は聴き応えある演奏となっており、弦楽四重奏の醍醐味も味わわせてくれる。ひとつだけ苦言を呈すとすれば、緩徐楽章におけるフレージングの甘さ。たっぷりとした音量と余韻があり、基本的にイン・テンポで演奏するがゆえに、ともすると、別のフレーズが連続してしまうようなところも散見され、それが、音楽のめりはりをやや弱めてしまうこともある。
(平野 昭)



音楽現代 '06. 8月号 室内楽 器楽曲

 注目 ロータスSQ三枚目のディスク。二〇〇三年録音(メンバーも現在とは一部異なる)のシューマン弦楽四重奏曲全曲が、没後一五〇年を待って発売された。
 一枚目のモーツァルト、二枚目の邦人作品集の間を取ってロマン派、という無邪気な話ではなく、これは、精神の安定を崩しかねないシューマンの複雑怪奇な世界への果敢な挑戦と見るべきだろう。
 そもそもテンポ設定が至難を極める。生気を失わず、響きやアンサンブルを壊さない匙加減。第一番の嘆きと微笑、第二番の華、第三番のときめきが、破綻なく実現しているのは奇跡に近い。四人の表現の統一も、私的な心情を告げる曲調とは裏腹に、滅私と献身の結果だろう。自然で流麗な外見と、ほとんど自らを音のサイボーグ化する舞台裏の緻密な計算や集中(第三番の終楽章をどうしてここまで整然と弾けるのか!)が、妥協なく両立したことに驚く。
(白石知雄)



ぶらあぼ '06. 7月号 今月の新譜 ぴっくあっぷ

 ロータス・カルテットは1992年に日本人女性メンバーのみで結成され、ドイツを中心に活動している。重鎮メロス弦楽四重奏団に師事し、数々のコンクールへの入賞を経て確実にステップアップしてきた。そのしっかりとした歩みを感じさせるのが本作である。巧妙にコントロールされたルバート、楽器間のバランスとブレンド具合など、すべての要素が定位置にある演奏は、リスナーをシューマンの音楽の核心へと誘う。特に、第1番と第3番の第3楽章は、ヴィオラとチェロが低音部の音色を朗々と鳴らし、ため息の出るような美しさを醸し出している。
(大塚正昭)


'06. 6月21日 毎日新聞 夕刊

“今月 私の3枚”に礒山雅氏より選ばれる。



CDジャーナル '06. 7月号 クラシック 〜室内楽・器楽曲〜


同団は92年に結成された日本人によるカルテットだが、現在はシュトゥットガルトを拠点に国際的に活躍する有望株。かならずしも人口に膾炙したとはいえぬシューマンの作品に挑んでいるが、これがものの見事に成功している。渋みに富んだ熱演なのである。


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