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2005年 2/10 | ||||||
湯浅卓雄 指揮=ロンドン・フィル定期公演 レポート Vol.1 | ||||||
英国のアルスター管弦楽団の首席客演指揮者を1997年以来八年間も務めている 指揮者 湯浅卓雄は目下世界各国から熱い注目を集めている日本人指揮者の一人だが、今月はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演(2月4日 ロイヤル・フェスティバルホール)とイーストボーン定期公演(2月6日 コングレスシアター)を指揮した。湯浅卓雄がロンドン・フィルを指揮するのは、何も今回が初めてのことではない。 すでにこれまでも度々客演し、EMIレーベルにリムスキー=コルサコフ『シェエラザード』やプロコフィエフ『キージェ中尉』をレコーディングしており、特に『シェエラザード』の演奏はHMV Classics シリーズにおいて、英国の歴史的巨匠 サー・トーマス・ビーチャムによる演奏とカップリングされて人気のあるディスクとしてリリースされている。 今回の公演のプログラムは、ドビュッシー:交響詩『海』、ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調、シベリウス:交響曲 第1番 ホ短調。 イギリス人のシベリウスに対する特別な愛着や造詣の深さは広く知られるところであり、ビーチャム、バルビローリ、ディヴィス、ラトルなど、シベリウスを重要なレパートリーに位置付けている指揮者もイギリス人に多い。 ロンドン・フィルは今シーズン、湯浅卓雄とシベリウスの祖国フィンランドの二人の指揮者、パーヴォ・ベルグルンドとオズモ・ヴァンスカにシベリウス作品の指揮を託している。 湯浅卓雄への信頼がいかに高いものであるかが窺い知れる。 この日の客席は補助席・立見が出るほどの満員盛況。前日、同じホールで開催された、ある著名指揮者と名門オーケストラの演奏会は空席が目立っていたし、演奏のクォリティも湯浅卓雄&ロンドン・フィルには遠く及ばない貧しいものだったから、この状況は納得の行くものと言えるだろう。 ドビュッシーの『海』は実に細密で多彩な表情と劇的で強大なエネルギーを兼ね備えた有無を言わさぬ説得力をもって聴衆を圧倒。演奏直後の聴衆の噴出する爆発的な反応が結果のすべてを物語っていた。 休憩の後に演奏された、まだ、ドイツ・ロマン派の影響の残る若いシベリウスの傑作も最初のドビュッシーでの充実にひけをとるものではなく、耳の肥えたロンドン・フィルの常連客を唸らせるものとなったようだった。 すべての演奏が終わった時、湯浅卓雄は今回の公演を機に引退する名首席チェリスト Robert Truman の長年の貢献に対する賞賛を聴衆に促した。 しかし、それにも勝る喝采がオーケストラ・プレイヤー達や聴衆から、この日の指揮者に与えられていた光景を、時を同じくした者は忘れないことだろう。 尚、トスカニーニ、クレンペラー、バルビローリ、カラヤン、テンシュテットなど、歴代の巨匠が稀代の名演奏を繰り広げた名門ホール、ロイヤル・フェスティバルホールは今シーズン以後、老朽化による大改修のため約2年間閉館するという。 この日、湯浅卓雄が使用していた楽屋もクレンペラーたちがここを占拠していた時代からほとんど変わっていない様子だった。 湯浅卓雄 日本国内での今後の公演予定 6月26日 京都市交響楽団・大阪シンフォニック・クヮイア (京都コンサートホール) 10月15日 東京都交響楽団(東京藝術劇場) 11月3・20日 大阪センチュリー響『ブラームス:交響曲全曲チクルス』 (神戸新聞松方ホール) 06年1月24日 東京都交響楽団 定期公演(東京文化会館) |
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