20世紀のドイツを代表する世界的カルテット
「メロス弦楽四重奏団」のチェリスト。
シュトゥットガルトに生まれる。国立シュトゥットガルト音楽演劇大学で音楽を学び、当時のルードヴィヒ・ヘルシャー教授のマスタークラスに在籍した。その後、ピエール・フルニエの下で更に音楽的経験を積んだが、フルニエからはそれまでにない芸術的な刺激を受けることになった。ブックは1961年ミュンヘンで行われたドイツ大学コンクールで受賞者の一人となる。同年、新設されたヴュルテンベルク室内管弦楽団の団員としてオーケストラ奏者としてのキャリアをスタートした。同楽団では1967年まで独奏チェロ奏者を務めている。そして1965年、ブックは世界中のあらゆる舞台で活躍する演奏家としてのキャリアを歩み始める。それはブックがメロス弦楽四重奏団を立ち上げた年であり、メロスは数々の国際的な賞を受賞して一気に吊を挙げることになった。おびただしい数の受賞レコードやCDがこのカルテットの40年に及ぶ並外れた足跡を物語っている。ベートーヴェン・ハウス協会（ボン）の名誉会員やドイツ連邦共和国功労勲章を含む数々の栄誉は、ペーター・ブックの功績を称えるものである。
1980年より国立シュトゥットガルト音楽大学教授を務めている。世界中の国際コンクールの審査員やマスターコースの教師としても引く手あまたである。2004年10月には中国の瀋陽音楽学院の客員教授に任命された。
また1992年にオーベルストドルフ・ミュージック・サマーを創設し、自ら芸術監督を務めている。ドイツ、アルゴイ地方で開かれるこの国際音楽祭では若手音楽家のための集中プログラム（マスターコースと学生によるコンサート）のほか、一流演奏家による一連のコンサートが開かれる。高い理想に裏打ちされた同音楽祭への取り組みが認められ、2004年10月にドクター・ダーツェルト財団賞を授与された。
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