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ニクラス・ウィレン 新聞掲載記事

スタンダードとなるコンサート

 終わってみれば、このコンサートのなんと素晴らしかったことか。ニクラス・ウィレンがボーンマス交響楽団(BSO)を指揮して見事なパフォーマンスをみせ、BSOのシーズン今後にむけて目標となるスタンダードを残した。そして、フィンランド人ピアニストのユホ・ポホヨネンは、ショパンのピアノ協奏曲第2番で、意気揚々と絢爛たる技量を見せつける演奏。美しい旋律の第一楽章は微塵の綻びもなくなめらかな演奏で、ウィレンのエネルギーの高い指揮が過不足なく調和していた。その第一楽章がポホヨネンの詩情に溢れ、芳しいばかりにうっとりとロマンティックなラルゲットへと引き継がれていく。そして終楽章、ポホヨネンの澄んで流れるような指さばきによって、華麗な結びは何ら苦もなくひたすら優美であった。
 ウィレンのタクトの下、聴く者をぐいぐいと惹きつけ、リムスキー・コルサコフの人気作『シェエラザード』の物語が感覚的な音楽によって紡がれていった。冒頭の管楽器による動機が華やかに着飾った堂々たるサルタンの姿を髣髴とさせ、ダンカン・リデルのソロ・ヴァイオリンは王女のたおやかさの中に秘めた強さをにじませる。様々なパートの首席奏者によるソロが曲にあの独特の高揚感をもたらし、神秘的な美しさが極まる王子と王女の楽章ではこの上なく精妙に奏でられていた。色彩豊かなバグダッドの祭りに引き込まれたかと思えば、次は船に乗り込み、その海がウィレンの手によりいよいよ波立ち荒れ狂い、ついには難破へと至る。そうして、終局のシェエラザードの主題からは欺きを秘めながらも心揺るがす魅力が感じられた。
 ベルリオーズの『海賊』序曲は同様に素晴らしい演奏であった。
          
マイク・マーチ ボーンマス・エコー紙 2008年10月16日




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