音楽の友 '16.
5月号
兵庫芸術文化センター管弦楽団(第86回)
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音楽の友 '13.
4月号
京都市交響楽団(第565回)
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音楽の友 '11.
3月号 Concert
Reviews
札幌交響楽団(第535回)
ナクソス・レーベルへの一連の録音で知られるエイドリアン・リーパーが、札幌響を見事にドライヴしてみせた。前半は河村尚子をソロに立てて、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」。リーパーはバランスの整った響きで、落ち着きと風格のあるブラームスを聴かせた。河村も端正な造形のなかに自然で爽やかな抒情を漂わせ、とくに終楽章でのすっきりと見通しのよい音楽は、若き日のブラームスの魅力をよく伝えていた。だが第1楽章では独奏、オケともにさらに白熱する場面もほしかった。
後半のプロコフィエフ「交響曲第5番」は、リーパーの良い意味での職人的手腕が見事に発揮された快演。ここでもオケのバランスの良さが際立っており、輝かしさのなかにもしなやかさを失わない響きが魅力的。トゥッティも刺激的にならず、のびのびとフォルテが響き渡る。第2楽章や終楽章での生き生きとしたリズム、緊張感を失わずに最後まで追い込んでいくスピード感など、プロコフィエフならではの痛快さを存分に味わわせてくれた。連日の寒さゆえか、客席の入りはもう一つだったが、札響からこれだけ魅力的な響きを引き出したリーパーの指揮、ぜひまた聴きたいものである。
1月28日・札幌コンサートホール
(本堂知彦)
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