右近 恭子(ピアノ)が '10. 3/22イシハラホ−ル公演にて
音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞受賞致しました。
《賞状》
音楽クリティック・クラブ賞 奨励賞
右近恭子 殿
あなたは、平成22年3月22日にイシハラホールで開いたリサイタルで、シェーンベルク、シューマン、フォーレ、ショパンの作品のいずれにおいても、充実かつ味わい深い演奏を披露し、加えてこれまで以上に自在性と奥行きの増した表現で作品の魅力を伝えたことを高く評価し、この賞を贈ります。
音楽クリティック・クラブ
《受賞の理由》
ピアニストの右近恭子は、音楽活動を開始した当初から注目すべき演奏を展開してきた。それは神戸灘ライオンズクラブ賞、大阪文化祭奨励賞、大阪文化祭本賞を受賞していることにも現れている。彼女はソロ活動以外に室内楽等のアンサンブルにも積極的で、その分野でも優れた演奏を聴かせているが、自主リサイタルも意欲的に行い、筆者が聴いただけでも1985年以来、今回が11回目である。2010年3月22日にイシハラホールで開かれたそのリサイタルは、シェーンベルクの「6つの小品作品19」、シューマンのピアノ・ソナタ第1番、フォーレの舟歌第7番、ショパンのピアノ・ソナタ第3番というプログラムだったが、これまで通りの右近らしい、真摯に作品に向き合った、充実かつ味わい深い演奏となっていた。そもそも外面的に派手な効果を狙うことがない、どちらかと言えば渋い表現を聴かせるタイプの人で、今回も個性的であろうとするより、作品の持ち味や魅力を最大限に発揮させようという姿勢が感じられる無理のない、そして常に明快であると同時にロマンティックで豊かな音楽性を感じさせる表現に貫かれていた。そして最も重要な点は、以前にも増して表現に自在性と奥行きが加わって、深みとスケールが一段と増したことが高く評価されたわけで、今後の更なる活躍を期待する。
(福本
健)
《受賞の理由となった公演》
'10. 3/22(月・祝)18:00 イシハラホール
右近恭子 ピアノ・リサイタル
|