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2007年 7/3
ドリアン・ウィルソン(指揮)
マレーシア・フィルで鮮烈なデビュー
(2007年6月30日・7月1日 クアラルンプール)
     

ドイツ在住のアメリカ人若手指揮者 ドリアン・ウィルソン(弊社アーティスト)が体調不良により出演不可能となった、巨匠ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスに代わってマレーシア・フィルの指揮台に登場した。

プログラムは
ファリャ:『三角帽子』第2組曲
ファリャ:『スペインの庭の夜』(ピアノ=ジョゼップ・コロン)
レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』
レスピーギ:交響詩『ローマの松』

当初 フリューベック・デ・ブルゴスは一曲目に自らの編曲によるアルベニスの作品が含まれていたがこれは上記の『三角帽子』に変更された。 残りの作品は全て当初予定の通りである。

マレーシア・フィルは他のアジア諸国(日本を含め、香港を除く)と明らかに異なる面を持っている。
それは真にインターナショナルな楽員構成によるオーケストラであるということである。
例えば日本のオーケストラとヨーロッパのオーケストラを比較した時、最も異なることは自国人の占める人数であろう。 例えばNHK交響楽団こそが全く典型的である。(韓国でもおそらく同様であろうが)
しかし、このマレーシア・フィルの光景はまるで例えば英国の楽団のそれと非常に酷似している。
楽員の大半は白人であり、あとはアジア系(プログラムのリストによると6名が日本人)がわずかに垣間見られる程度なのである。 さらに登場する指揮者・ソリスト陣もロンドンなどのオーケストラのそれと全く遜色がなく、もしかすると現在日本のどのオーケストラのラインナップよりも豪華かもしれない。

実のところ、ウィルソンはあまり事前の知識を持たずにこのオーケストラに相対したので、その充実ぶりに目を見張ったことは言うまでもない。
しかし、彼は直ぐに楽員達と素晴らしい協力関係の中、音楽作りを行っていったようである。
そのことは公演当日のゲネラルプローベの様子からもハッキリとうかがい知れた。
アメリカのトップクラスに匹敵するブラスセクション(実際に『松』のエキストラのほどんどは何とアメリカから来ていた! しかも たった2分ほどの舞台裏でのソロを吹くトランペッターはこれだけのためにセントルイスからやってきたのである)、美しく表情豊かな弱音が際立つ木管セクション、そしていわば世界中から腕達者が寄せ集まったがために、ともすると互いのスクールやスタイルの若干の違いから細かな齟齬が起きかねない弦楽器セクションもウィルソンの指示のもと、次第に一つの方向性を得て、コンサートでは爆発的とも言うべき名演奏を展開した。
特に二日目のレスピーギの二曲はまさに世界のトップクラスのソノリティに匹敵する大変な名演奏であった。

そして終演後は、ウィルソンの楽屋口には長い列ができた。
楽員達が群がるように集まり、一人一人ウィルソンへの賞賛を述べにやってきたのである。
『また、是非きてほしい!』『直ぐにご一緒したい』・・などなど。
ただ、このオーケストラのスケジュールはすでに2009年まで決まっているので、
ウィルソンがもし、近いうちにこのオーケストラに再登場しているとしたら、その時はまた誰か予定されていた指揮者がキャンセルした時ということになるのだが。

マレーシア・フィルハーモニー管弦楽団

ドリアン・ウィルソン プロフィール

     
 
 

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