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2004年 6/6 | |||||||
漆原朝子のブラームス 〜ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 完全全曲演奏会〜 (2004年 6月3日 神戸新聞松方ホール)演奏会評 |
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一昨年のシューマンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏に続いて、ブラームスのヴァイオリンとピアノのための作品、完全全曲演奏会という意欲的な企画である。前半にソナタ第1番「雨の歌」と第2番、後半が「FAEソナタ」のスケルツォと第3番というラインナップで、ピアノはアメリカの中堅バリー・スナイダー。 目を閉じて聴いていると、とてもうら若い女性ヴァイオリニストの演奏とは思えない、完成度の高い室内楽演奏になっていた。お互いの音を聴き合い、しかも決して自己をスポイルさせることなく、十分に音楽的な主張もするという、理想に近いインタープレイが聴かれた。漆原はテクニックに恵まれながら、それを誇示するのでもなく、また美しい音色を持ちながら、誇らかにうたうというのでもなく、ひたすらブラームスの作品に奉仕するのに徹していた。勿論スナイダーのピアノも、同じコンセプトにしたがったもので、メロウな音色を大切にした美しい限りの演奏を聴かせた。 つまり両者は強力なセルフコントロールによって、ともにブラームスの世界を描き上げたといえる。中では第3番が最も充実した表現になっていたが、それは力の配分を考えて、第1、第2番では肩の力を抜いたからだろう。結果として淡々とした表現の第1、第2番と、情熱に溢れた第3番という、絶妙のコントラストを描くことにもなった。技巧的にも感覚的にも、極めて優れた演奏でありながら、それが突出することなく、作品への奉仕という形であらわれた、稀なユニットというべきであろう。したがって聴き手は漆原とスナイダーの共演を聴いたというよりは、ブラームスの音楽を聴いたという実感の方が、より強く持たされることになる。こうした内容の演奏会は、めったにあるものではないだろう。(6月3日・神戸新聞松方ホール) 音楽評論家 出谷 啓氏 批評(同氏ホームページより転載) 漆原朝子・国内での主な演奏会予定 (年内・6月18日現在) 6月27日(日) 京都市交響楽団(指揮=梅田俊明) 京都コンサートホール『チャイコフスキー:協奏曲』 7月 9日(金) スーパー・ヴァイオリンアンサンブル 北九州市立響ホール 7月28日(水) スーパー・ヴァイオリンアンサンブル 紀尾井ホール NHK交響楽団(指揮=ベルンハルト・クレー) 『ブルッフ:協奏曲 第1番』 8月20日(金) ミューザ川崎シンフォニーホール(開館記念コンサート) 8月21日(土) 石巻市民会館 8月22日(日) 福島市音楽堂 8月24日(火) 秋田県民会館 8月25日(水) 山形県県民会館 8月31日(火) 札幌交響楽団 (指揮=西本智実) 札幌コンサートホール 『ブルッフ:協奏曲 第1番』 9月24日(金) 漆原朝子&迫 昭嘉 デュオ・リサイタル 大阪:ザ・フェニックスホール 11月 5日(金) いずみホール(アンサンブル=内容未定) 11月21日(日) 日本フィルハーモニー交響楽団(指揮=飯森範親) 東京芸術劇場 『チャイコフスキー:協奏曲』 11月27日(土) 大阪フィルハーモニー交響楽団(指揮=西本智実) 鹿児島市民文化ホール 『ベートーヴェン:協奏曲』 11月30日(火) ヴァイオリン・デュオ(with 漆原啓子) 川越 12月 2日(木) 大阪センチュリー交響楽団(指揮=西本智実)京都コンサートホール 『ベートーヴェン:協奏曲』 12月 3日(金) イシハラ・リリック・サンサンブル(イシハラホール) 12月 4日(土) 大阪センチュリー交響楽団(指揮=西本智実)神戸国際会館 『ベートーヴェン:協奏曲』 12月 5日(日) 大阪センチュリー交響楽団(指揮=西本智実)なら100年会館 『ベートーヴェン:協奏曲』 |
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