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雑誌掲載記事

音楽の友 '08 8月号

ベートーヴェン:オラトリオ『オリーヴ山のキリスト』


湯浅卓雄(指揮)/天羽明恵(ソプラノ)/吉田浩之(テノール)/三原剛(バリトン)
大阪シンフォニッククヮイア(合唱)/大阪センチュリー交響楽団(管弦楽)


 湯浅卓雄の指揮。大阪センチュリー交響楽団と、独唱に天羽明恵(ソプラノ)、吉田浩之(テノール)、三原剛(バリトン)が加わって、まずシューベルト「ミサ曲第2番ト長調」を演奏。純化された女声コーラスが柔らかく天へ伸びてゆく。それを分厚い響きで包み込む男声。その間を縫うようにソリストが交互に冴えた声でメッセージを投入する。その人間の声をオーケストラが大きく包み込んでいたが、湯浅の緻密なタクトが大らかな至福の世界を作りあげた。すべてのセクションが活き活きと機能する構成で、オーケストラが強音で奏する際も、コーラスやソリストの声が少しも減衰しない巧みさを見せた。
 後半にベートーヴェンの「オラトリオ《オリーヴ山のキリスト》」を配したのもうまい。キリストが逮捕され、オリーヴ山に引き立てられる際の物語をソリスト陣と合唱が劇的に歌う。コーラスの出番は少ないが、ソリストの洗練された歌唱と的確に向かい合っていたし、オーケストラも劇的な内容を美しく、しかし骨太に描き出した。ソリストたちのドイツ語発声の的確さが印象的だが、初々しさを残しながらも高いレヴェルで湯浅のタクトに応えたコーラスも力量の確かさを示した。
5月31日・ザ・シンフォニーホール
(嶋田邦雄)



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