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新聞掲載記事


日本経済新聞(夕刊) '07 11月20日

新企画で「第九」奏でる

 ベートーベンの交響曲第九番合唱付き。今年も第九のシーズンを迎え、来週から年末にかけて演奏会が相次ぐ。第九といえば総勢三、四百人が舞台に並び、地響きのような演奏をするのが定番。しかし、今年は百人前後の小編成やピアノ独奏など一味違う企画が目立つ。

中略

 ピアニストの若林顕が十二月二十七日、大阪倶楽部(大阪市)で開くのが「たった一人の“第九”」だ。「大編成の演奏では、楽譜に書かれた音符でも、大音量にかき消されて聞こえなくなる音がある。ピアノの独奏ならそういう音に焦点を合わせられる」と語る。来年内にCD化も予定している。
 若林が使う楽譜は、ロマン派のピアニスト、リストが、尊敬するベートーベンにささげた編曲版。「リストがピアノ表現の可能性を追求するために編曲したもので、ピアノだけで弾いても十分に第九の生命力が伝わってくる。リストはベートーベンの楽譜を忠実に編み直し、その精神も受け継いでいる」と話す。

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 これらの企画は大編成、大音量から脱却し、観客の聴きやすさに配慮している点で共通している。それは「歓喜の歌」の意味を問い直すことにもつながっている。従来、第九の企画といえば「一万人の第九」「五千人の第九」といった合唱の規模ばかりを競い、音楽の本質を置き去りにしたようなものが多かった。第九の音楽性を見つめ直す動きは、音楽企画のイベント化にも一石を投じそうだ。
(大阪・文化担当 浜部貴司)




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