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大谷 玲子 CDレヴュー
イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ全6曲


◆第1番ト短調
◆第2番イ短調
◆第3番ニ短調〈バラード〉
◆第4番ホ短調
◆第5番ト長調
◆第6番ホ長調

2008年1月22・23日/29・30日
三鷹市芸術文化センター/録音セッション
LIVE NOTES (WWCC7582)\2,625(税込)

NAXOS MUSIC LIBRARY

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Tower Records  HMV


 


音楽現代 '10 4月号

【推薦】イザイの「無伴奏」はバッハの「無伴奏」と共に、今や若手ヴァイオリニストの試金石となった感がある。しかし、バッハに触発された豊かな曲想とヴァイオリニスティックなテクニックが有機的に結びついたこの作品を正しく表現するのは、それほど簡単なことではない。大谷玲子はそれを成し遂げた。時には耽美的に、時には情熱的に、そしてときには傲慢に。様々な貌を見せるイザイの天才に真正面から向き合い、それに振り回されることなく、この多角的な作品を自分自身の言葉で表現することに成功している。惜しむらくは録音だ。そのコラール風の残響は、彼女の重音の美しさをスポイルし、良く伸びた高域をヒステリックに感じさせてしまっている。
(佐藤康則)



レコード芸術 '08 9月号 新譜月評 【特選盤】

【推薦】昔に比べて格段に録音される機会の増えた曲のひとつが、イザイの《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集》である。したがって競合盤の多い中にきわ立つことが難しくなってくるわけだが、ここに聴く1枚は、そのような条件を超えて輝きを保ち得るものと思われる。当「器楽曲」欄への登場は初めてかもしれない大谷玲子は、1996年よりブリュッセルに留学、同年のヴィエニャフスキ国際コンクールで最高位をかちえた逸材。2002年帰国後も、内外でさかんに活躍をつづけている。本年初頭に録音された当ディスクに対し、ブリュッセルで彼女を導いたイーゴリ・オイストラフは、ヴァイオリニスティックな完成度、音楽的デリカシー、そして人間的な暖かみを彼女の特質として挙げ、心おきない讃辞を贈っているが、なるほど、それに十分応えられるだけの実質高い演奏を、大谷玲子は披露する。無伴奏であるだけ、余計明晰にとらえられるその特色は、行きとどいた技巧と共に、清澄な音質である。ヴィブラートは控えめで、いわゆる“唸る”鳴り方をしないヴァイオリンだが、かと言って表情に欠けることはない。いや、却って、こまやかな表情をつねに失わないヴァイオリンであり、だからこそ、イザイのそれぞれ微妙に顔つき、身体つきの異なる6曲が、みなふさわしく生かされることになる。ためしに第2番の〈マリンコニア〉か、第5番の〈あけぼの〉でもいい、お聴きになってみれば、このヴァイオリニストの持つ詩人的稟質をすぐに見届けて頂けよう。
濱田 滋郎



【推薦】ミルシテインの回想録『ロシアから西欧へ』(春秋社)に晩年のイザイが出てくる。ミルシテイン独自の洒脱な語り口で、ベルギーの王妃らに囲まれてアンサンブルをする老巨匠との交流がユーモラスに描かれていて大変興味深い。これらの曲の作曲者というのが、今ひとつぴんと来ない。もとより、芸術家に限らず、他人の内面は容易に窺い知れないということだろう。それはさておき、ここでそのイザイの独奏曲集を弾くのは大谷玲子。かつて桐朋学園およびブリュッセルの王立音楽院でダヴィドの息子イーゴリ・オイストラフらに学び、1996年のヴィエニャフスキ国際コンクールで最高位を受賞している。その演奏は明るく華やかな音色と滑らかなフレージング、的確なテクニックと洗練された解釈が示されている。この録音を聴く限り、フランコ=ベルギー派に、ロシア的な大らかさ、スケールの大きさをブレンドしたようなスタイルで、第1番第1楽章グラーヴェは、曲にふさわしいたっぷりとした出だしに音色の精妙なグラデーションが添えられ、第2楽章のフガートは瑞々しい音色で各声部が滔々と歌われる。第3楽章はほどよく力が抜けた歌い回しが愛らしく、後半は詩的な余韻を残す。第2番の第1楽章は華麗。第2楽章のメランコリックな旋律やピッツィカートも、パッションに溢れた〈フュリ〉もカラフルだ。よくコントロールされたヴィブラートが表現の多様さをもたらしているが、第3番〈バラード〉がその好例で、明るい音色で情感豊かに歌い上げて官能的だ。他の3曲は、第6番が弓を振り回し過ぎの感はあるが、総じて個々の楽章の特徴を捉えていると同時に、外へ向けられた率直な表現が快い。
(那須田 務)




音楽現代 '08 9月号 音現新譜評


【推薦】大谷玲子が遂にデビューCDを出した。それも彼女が最も思い入れがあるというイザイの無伴奏ソナタ全6曲である。大谷はコンサートではこの演目を既に何度も採り上げその都度高い評価を得ているが、満を持し録音した今回のCDの出来映えは実に素晴らしく、第1番から自身に満ち瑞々しく冴えた音色が聴かれる。全体の構成力にも優れ技巧的にも間然するところがない。第2番は性格的な曲想ゆえ出だしがややすっきりしすぎる感じだが「怒りの日」がアルペジョで出る辺り以降は鮮烈で内容的にも一段と磨きがかかっている。第3番は冒頭の瞑想を始め熾烈で完璧無類な名演。第4番も呻くような開始から凄まじい緊張感が持続し、切々と訴えかけて来る。
(浅岡 弘和)



関西音楽新聞 '08 9/1


イザイ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」全6曲 演奏・大谷玲子

 イザイはバッハの無伴奏ソナタとパルティータに刺激を受け、かつヴァイオリンという楽器の技巧を深化させたい一心で、無伴奏ソナタに実験的に取り組んだといわれる。その実験が破天荒で、全6曲をシゲティら一流のヴァイオリニストに献呈し、それぞれの演奏スタイルを刻みつけるという快刀乱麻ぶりだった。
 演奏した大谷玲子は独奏やいずみシンフォニエッタ大阪のメンバーとして関西ではおなじみ。イザイのこの曲は再三手がけており、個性派の彼女にふさわしいと言える。ここでも磨かれて豊麗になった技巧と確固とした詩的イメージを聞きつけることができる。
(白)




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